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浪漫@kaido kanata

. 竹あかり・笙子(しょうこ)その八

その八
<白露>

「撃つがいい。それで、お前の気がすむのなら。覚悟はできている」
 シャツに手を通し、女の肩にもトレンチコートを着せかけてやった。
 竹林の足元にはびこっている熊笹の群れが 風にどよめく。

壇蜜 うつむく


 女は銃を握ったままだ。
「どうした。銃爪(ひきがね)を引かんのか」
「……」
「それが、お前の目的だろう。汚名をそそぐためだろう」
 おそらく、闇どくろを殺ったヤツを助けてしまったと判ってから、
この女は闇どくろの配下から
相当、屈辱的なリンチを受けたに違いない。
 俺を憎み、己(おのれ)を呪っただろう。
 今夜、俺を確実に始末しなければ、自分が消されるに違いない。

赤い 金城


 撃てばいい。この世に何の未練もない。

 あかりの白い腕が どろりと下がった。
「撃てない……。あたいは、漆黒のにいさん、あんたに毎夜、温めてほしい。
そんなことを、さっきもあんたに抱かれながら思っちまった」
 濃い睫毛の先に、白露のような涙がふくれては落ちた。


闇どくろのことを、恩人だなんて言ってるが、
この女、ヤツの 囲い女のひとりにしか思えん。

本当は 配下のリンチを恐れているだけで
闇どくろに 恩も何も 感じていないのかもしれない。

あの男の身辺のことは 嗅ぎまわったから 分かる。


金城 ウインターソング



 トレンチコートごと、抱き寄せた。
 ふたりの吐く息が湯気のようだ。

 「笙子……って、呼んどくれ」
 白くなった唇から 小さな願いが洩れた。



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. プロフィール

海道 遠(かなた)

Author:海道 遠(かなた)
小さい頃からお絵描き大好き
お話創るの、大好き
      ↓ 自然に
漫画家になりたい
      ↓
OLを退職。デザイン学校の漫画科へ入学
      ↓
家庭の事情で後、半年というところで退学、OLに戻る
      ↓
技量不足とひどい肩こり症のため、もの書きに転向
      ↓
結婚、妊娠、育児のブランクを経て再度ペンを持つ。
      ↓
が、コンクールに落ちる事、数知れず。
      ↓
諦めてアマの道へ

★著作★
 ペンネーム:海道 遠(かいどう かなた)
 「“海王の接吻”を抱きしめて」新生出版
 「CROSS」新風舎 
 共に全国出版、ネット販売しております。

★海棠結実(かいどう ゆみ) ペンネームで 

 【 遠雷去らず 】風詠社(鎌倉時代もの)
 全国ネット販売しております。
 

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