FC2ブログ

浪漫@kaido kanata

. 三浦春馬  短編  オッドアイ 1

☆オッドアイとは。色違いの瞳を持つ者。また そのものを言う。


★イメージ 

群青(ジョー)…… 三浦春馬
翠蘭(スイラン)……高畑充希                 
ホークアイ……… ルーク・エヴァンス

                         序

「翠蘭、俺の眼、茶色の眼の方を 見つめろ。その中へ 
自分が 入り込むように 念を集中しろ!!」

13年 超 美しい



 青年の声が 翠蘭を 硬直させていた。
 しかし、心は 委ねきっている。後は勇気を出すだけだ。
 青年、群青(ジョー)の顔を 翠蘭は 見つめた。
(この、左右の眼の色が 違う 茶色の瞳に入り込めば 私たちは闘える)
(古代から 私たち、オッドアイの民族を苦しめてきた、ホークアイを倒せる!!)
「そうとも、さあ、来い!!」
 群青(ジョー)の声に吸い込まれるように、翠蘭は 瞳と融合した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   
         第 一 章

「群青(ジョー)、翠蘭を ホークアイにさらわれたぞ!!」
「なにぃ!!」

 仲間の声に、裏町のじとじとした 隅っこでカード遊びに興じていた群青(ジョー)は
 いっときに牙を剥いた。
「あいつが 翠蘭を!?」
「ホークアイのやつ、この前から 翠蘭を誘惑してたんだよな。
うちにくれば こんなドブネズミみたいな 生活から おさらばして 
シンデレラみたいなお姫様に なれるってよ」
 仲間も 悔しそうだ。


茶色っぽい ルーク



「あの野郎、上流階級にのさばりながら、裏社会も支配して 
俺たちストリートチルドレンも目の仇にしているくせに 翠蘭だけさらうとは どういうわけだ」
 群青(ジョー)は 下唇を 咬んだ。

NYで 鍋をつつく



 ホークアイから 彼らのボロのタブレットに連絡が入る。
『翠蘭を 返してほしくば 群青(ジョー)ひとりで 屋敷まで来い』

 罠かもしれない。
 しかし、群青(ジョー)が 行ってみると、ホークアイの巨大な屋敷は 
無防備で、 翠蘭の声が 昏い森の中から聞こえた。

「群青(ジョー)ここよ、私はここ」
 バルコニーから 白いネグリジェのまま 身を乗り出している少女が見える。

高畑 1



 ボロをまとっていた 先日までとは 違い、なんて 優雅な姿だ。
「飛び乗れ!!」
 このまま 無事に帰れるかどうか 判らないが、とにかく 翠蘭は ネグリジェ姿のまま、
ひらりと 身を翻して バイクに乗った。


 エンジンを吹かせて、出口向けて 発進しようとして、すぐに 背後から 首を絞められる。
 広大な庭の闇の中で バイクは ハデに横転した。
「何、するんだ、翠蘭!!」

 思わず、群青(ジョー)が 眼を走らせると、温和だった少女に 闘志が 滾っていた。
「群青(ジョー)、あんた、アタイたち ストリートチルドレンを 大陸のマフィアに売ろうとしていた 
そうじゃないか。アタイのことも騙してたんだね、許せない!!」
「翠蘭、どうした」
 驚く間もなく、翠蘭の白い手から短剣が 繰り出される。
 白いネグリジェも 脱ぎ捨て、漆黒の皮のジャンプスーツ姿だ。

「止せ、やめろ。お前と 戦う気なんかしない。俺たちは裏町で
 ガキの頃から肩を寄せ合って生きてきた仲間じゃないか」

 さんざん、翠蘭の短剣が舞うが、群青(ジョー)が 攻撃をかわすばかりで なかなか勝負がつかない。
 ふたりとも、肩で息をしているところへ 背後から老婆の声が響いた。


デンデラ 倍賞美津子


「お前たちの本当の敵は ホークアイだ。闘いを止めて力を合わせるがよい。オッドアイの男女よ」
「誰だ。あんた」
「そんなこた、後だ。とにかく、あんたたちふたりは 戦う必要などないのじゃ。」

にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村

. 三浦春馬 短編 オッドアイ 2

☆オッドアイとは。色違いの瞳を持つ者。また そのものを言う。


★イメージ 

群青(ジョー)…… 三浦春馬
翠蘭(スイラン)……高畑充希                 
ホークアイ……… ルーク・エヴァンス

~~~~~~~~~~~~~~~~

老婆に案内されて スラム街の袋小路の奥へ行く。

「いつの間に、ホークアイの屋敷を出たんだ?」

12ねん 秋?



「少々、目くらましを使ったからのう、どうせ、そのおなごは 試しの遊びだったんじゃろう、ヤツにとっては」
 まだ 興奮して ナイフで斬りつけようとする、翠蘭を どうにか 押しとどめ、
 怪しげな 骨董屋のような 古びた部屋に案内される。
 地下へ降りる階段に ヤモリが這い、蜘蛛の巣が張っている。

ごちゃごちゃした 古い部屋


「まあ、座んなさい」
 お世辞にも 小奇麗とは言えない 木製の椅子を勧められる。
「世間話など する気はない」
「アタイもさっ」
 翠蘭が 部屋のカビ臭いのを 鼻をつまんで 顔をしかめながら咬みついた。
 そして もう一度、隙をついて、群青(ジョー)に向かって ナイフを振りかざしたが、
その腕は 振り下ろすことが出来ない。
「くっ……、どうして!?」
 隻眼の老婆の眼が 少女をがんじがらめにしているのだ。


充希 みだれ髪



    オッドアイの男女――――
 図星だった。


群青(ジョー)と翠蘭の育った ストリートチルドレンたちは、ある民族の血縁関係にあるらしく、
15人の少年、少女たち、すべてが 両眼の色が異なっていた。

 中でも 群青(ジョー)の瞳は ブルーとブラウン、
 翠蘭の瞳は グリーンとブラウン。
 まるで 猫のように。

オッドアイ 白黒コンビ猫 


 これほど くっきり違った 瞳の組み合わせは ふたりだけだ。
 ふたりとも、10歳くらいから カラーコンタクトでオッドアイを 隠していた。
 目立つ上、奴隷の人買いの眼につきやすいからだ。

 群青(ジョー)は ブルーに統一、  翠蘭は グリーンに統一。
 アンバニアは オッドアイの一族の古代伝承を持ってきた。
 前世から 定められたオッドアイの一族の歴史に 時々 現れては一族の敵と戦って打ち破り、守ってきた。
「今こそ、お前たちは 互いの無意味な 戦いを止めてホークアイの化けの皮を 引っぱがす時ぞ!!」
 すぐには 信じられない 群青(ジョー)と 翠蘭だが、自らの瞳の色が証明している。

デンデラ 倍賞美津子


 隻眼の老婆、アンバニアが黒い眼帯をはずすと 真っ赤と真っ青のオッドアイだった。
「この瞳のために ワシも愛する者と 共に敵に挑み、そして 愛する者を喪った」


にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村



. 三浦春馬 短編 オッドアイ 3

                  第 二 章

 その昔、瞳の色の違うオッドアイの人々は 高い文化を持ち、栄えていた。
 狩猟民族から 農耕民族に 発展していき、穀物を生産、貯蔵できるようになっても、
穀物は 人々に平等に分配され、身分の差はできなかった。



 元より上に立つ支配者が いないのだ。
 そして土地からは 色とりどりの琥珀が産出された。
 琥珀は 世界の国に輸出され、オッドアイ族は 平等に裕福な暮らしをしていた。
その利益は老いた者にも 働けない者にも 平等に分配されていたのである。

琥珀 原石 虫いり



 働ける者たちは もし 自分が 老いた時でも働けぬ身になっても、これを見て暮らしが
保障されていることを知っていたので 不平不満もなく、争いなど起らなかった。
 そんなオッドアイ民族の国を 周囲の諸国は 『理想郷』と 呼んでいた。


 しかし、その繁栄を妬まない者がいないはずはない。



 侵略の魔の手が オッドアイの国に突然 襲いかかった。
 気性の荒い民族として知られる、土地も気候も荒れた、ホークアイと呼ばれる隣国が攻め入った。
 軍隊を持たない オッドアイの国は たちまちホークアイに占領され、
豊富な食料や琥珀もすべて 押さえられ、何の武装もしない民たちは 
無残に殺され、半分は奴隷に連れ帰られた。

ルーク 三銃士


 これらの司令を下したのは、ホークアイの独裁王。
 まさに ホークのように 獲物を狙っては、近隣の諸国に攻め入り 版図を広げている。
 噂では 奴隷女の産み落とした子どもという出自。
 野心たるや ものすごいものがあり、少年時代に兵に志願してから支配者になり上がった。

鷹 とびおり


 ゆえに 最初から 安穏な生活に 恵まれているオッドアイ国民への嫉妬も深い。

 このホークアイの王を 倒さなければ オッドアイに 平和は戻ってこない。
 そう 宣言して立ち上がったのが、アンバニアと相棒だ。

 奴隷にされた人々を救うため、ふたりでホークアイへ潜入。
 この時の戦いで相棒は ホークアイに殺される(と、アンバニアは思い込む)
 哀しみに暮れながらも、アンバニアはホークアイと闘い、勝利する。
 しかし、ホークアイの魔の魂は 相棒に乗り移り、生き返ったふりをして 生き続けた。


 そして 古代から 気の遠くなるような時間が流れ、上流階級と裏社会を支配する悪漢になり、
暴虐のかぎりを尽くしている。

オレンジ ソフトな ひろと


 そこで ジャマになった ストリートチルドレンたちと そのボス、群青(ジョー)を消すため、
翠蘭を 洗脳して 攻撃させたのである。

にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村


. 三浦春馬 短編 オッドアイ 4

            第  三 章


アンバニアの長い話は 終わりに近づいたようだ。
「ワシは愛する者と 死力を尽くして戦った……。ホークアイを討ち、オッドアイの国には
平和が戻った……」

13年 青いセーター



 群青(ジョー)が じれじれと 組んでいた脚を揺らせながら 
「婆さん、いったい いつの時代の話をしてるんだ??」
「さあ、あれから 何千年、いや、何万年の時が流れたか……」
「悪いが ヒマつぶしなら 婆さん仲間とやってくれ。俺は忙しい」
 群青(ジョー)は 部屋から出ていこうとした。
 翠蘭の首根っこを しょっ引いて 下町の喧騒の中へ戻っていく。
「いきなり、信じろと 言われても無理はないのう」
老婆は 深々とため息をついた。

オッドアイのお婆さん



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アジア スラム街


 翠蘭を元のストリートチルドレンの住処に 連れ帰るまでに 群青(ジョー)の顔には 
いっぱい引っ掻きキズが できた。 目にも一撃喰らったので、左目の周りには 青アザが。


「どうしたんだ、翠蘭。こんなに凶暴になっちまって」
「ホントに凶暴なのは お前の方だろ、群青(ジョー)!!」
「俺は昔からのまんまだ。仲間と生きてきた。仲間を裏切ったこともなく売ったこともないぞ!!
胸を張って言える!!」
「よくも、そんなこと……、騙されるんじゃないぞ、みんな!!」 
翠蘭は仲間に向かって 群青(ジョー)のあること、ないこと、並べ立てた。

怯える 高畑

「アタイたちは 平等な分け前を与えてもらっていない。どうにか生きるために奪ってきた食料は 
大半、ジョーとその取り巻きが 自分のものにしている。
この前、仲間が軍にしょっ引かれたのも ジョーのせいだ」
「翠蘭、お前、俺が 軍に 隠れ処を密告したとでも??」
「そうじゃないのか!?アタイは 全部、知ってるぞ!!」


いつも 従順な妹のように、巣立つ前の小鳥のように従順な 
翠蘭とは思えないほど猛り狂っていて、本人とは思えない。
「翠蘭、落ち着け。ホークアイから何を聞いたか知らんが、みんな口から出まかせだ」
 彼女に殴られた眼から、今頃、ポロリと何かが落ちた。
 ブラウンのコンタクトレンズだ。剥がれ落ちた瞳は見事なブルーだ。

FB 14年 顔半分隠してる




 翠蘭が ギョッとした。
「右眼も コンタクトなのか?」
「いや、右は 生まれながらのブラウンのままだ」
「て、ことは 左がブルーで 右がブラウンのオッドアイなのか!?」
 群青(ジョー)は 頷いた。
「こりゃあ、たまげた」
 翠蘭は 左眼に手をやり、少しいじった。
 ブラウンの瞳の奥から エメラルドのような 耀く高貴な緑色が現れた。
「翠蘭、お前も オッドアイだったのか、ガキの頃から 一緒に育ってきたのに知らなかったぞ」
 少し 考えて、
「じゃ、俺たちは ふたりとも あの婆さんの言ってた『オッドアイ族』なのか!?」

にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村

. 三浦春馬 短編 オッドアイ 5

<古代のホークアイ国の独裁王>

オッドアイのワルそうな 青年


 暴虐のかぎりを 尽くしていたが、ある日、思いもよらぬ平和主義のオッドアイの男女に 
命ギリギリまで 狙われることになる。
窮地に陥った 王は 最後の手段に出た。

オッドアイの男に憑依して生き残るという 方法に出る。
憑依された男は アンバニアの相棒、グラナート。正義感にあふれた青年だが、
化け物じみたホークアイには 打ち勝つことが 出来なかった。

ベージュの要潤


ホークアイ国は 王を失い、近隣諸国に 攻め込まれることになり、それでもホークアイは 
見捨てて 自分ひとり、グラナートとして生きる道を選ぶ。




これを 見抜いたアンバニアが 執念で生き延びようと決意し、ホークアイに 復讐しようとしている。
~~~現代になり、アンバニアは 群青(ジョー)と 翠蘭に出逢ったアンバニアは 忠告したのだった。

FB TCK しっかりした目付き



★まるで お前たちは 古代のワシとグラナートじゃ。
 これ以上の 組み合わせはおらぬじゃろう。

メイサ ジャケ かっこいい
(若き日の アンバニア)



 ワシは 何万年もの永きに渡り、半身をそがれながらも ホークアイを滅ぼすことだけを考えて生きながらえた。
 ワシの相方の中身が ホークアイだと知ったのは かなり後のことじゃったが ワシに気づかれたと 判った時に あやつは 行方をくらました。

にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村

. 三浦春馬 短編 オッドアイ 6

               第  四  章

「アタイと群青(ジョー)が 融合すればどうなるの?」
 心細げに 翠蘭が洩らす。
 青い瞳と 緑の瞳が 融合して ホークアイの黄金色と対決する。
「アタイはいや!!群青(ジョー)とひとりの人間になるなんて いや!!ひとつになりたいほど、好きだけど
 ひとつになってしまったら アタイという人間が群青(ジョー)の中に入り込むってこと!?
アタイは 外から群青(ジョー)を 見つめて愛したいの」

充希 髪の毛をあげてる


オッドアイ猫 真っ赤と ミドリ目


「翠蘭……俺だって そうだが これしか方法は無いらしい。堪えてくれ」
「どうしても~~??」
群青(ジョー)を心から 愛していると、この時になって気づいた翠蘭だ。
愛する者と一体化――――それは 至上の幸せのようでもあり、複雑な心境にならざるを得ない。
別の個体として 愛する相手を見ることができないのだから。
「じゃあ、教えておくれよ。どうして そんなことまでして ホークアイってヤツを倒さなければならないのか」
「お前は 一度、ちやほやされて 優しいオジサンくらいにしか 思ってないだろうが、
あいつは慈善家を装った 人非人だ。いや……人なのか?」
あの、落下した 燃え盛る隕石の前に 立ちはだかった大男。普通の人間ではあるまい。


黄色く輝いた下町



「それは 俺が説明してやろう」
 青年の姿のグラナートが 現れた。
「一度、ホークアイと闘って判ったことがある。あいつは 琥珀を欲しがっている。
遥か昔、オッドアイが大量に産出していた琥珀を。琥珀があいつのエネルギー。
いや、もしかして、琥珀の邪精なのかもしれない。しかし、与えてはならん」
グラナートの表情は 厳しくなった。

スーツとラフな ルーク
(ホークアイ イメージの ルーク・エヴァンス氏)


「人類を喰いつくす邪精だ。琥珀には秘めた力があり、諸国が欲しがっている。
ホークアイが もっと強大な力を持ったら……。
そんな者をのさばらせていては、いかんだろう?お嬢ちゃんよ」
グラナートは 苦笑して 翠蘭の頭を撫でた。
翠蘭は しぶしぶ コックリした。

さて、どうやって 合体するか!?アンバニアに教わるしかない。
「分からんよ」と、アンバニア。
「わからん!?」

群青(ジョー)が叫んだ。
「なにせ、無我夢中だったんでな。戦った後、離れることは できたが ホークアイに憑依されておった」
「離れられるのか??婆ちゃん」


 心底 心配そうに 翠蘭は すがりつく眼で 老婆を見つめる。
「憑依されようが、離れられようが 構わんが、その前の段階―――一
一体化できなければ話にならねえ。思い出せ、婆さん!!」
髪を掻き毟りながら 群青(ジョー)が咆える。

オドロキ

にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村

. 三浦春馬  短編 オッドアイ 7

途方に暮れていたところ、ある夜、アンバニアの元に、ホークアイに滅ぼされてしまった、と 思っていた 
片割れ、グラナートが 青年の姿で現れる。
栗毛色の髪に 肩幅の広い偉丈夫だ。

呉島貴虎 1
(グラナート・イメージ 呉島景虎)


「グラナート!!ゆ、幽霊か!?」
アンバニアが皺だらけの 眼を押し開く。
「若者の眼に、少女の緑の瞳の力を宿らせればよい。お前の呪術でそれが できるはずだ、アンバニア。
さすれば あのオッドアイの若者は ホークアイと闘える。若者と少女も身体ごと一体にならなくて済むのだ。
俺たちもどうやって戦ったのか、忘れていたのか?」


苦笑し、グラナートは 老婆を見やった。
「実際、生きているのかどうか 分からない頼りない存在だよなあ、俺は」

 しかし、かつての恋人の言葉は 鮮烈に老婆の記憶を甦らせた。
 グラナートの瞳に宿らせた アンバニアの視界に いきなり ホークアイとの決戦の時が。

黄色く輝いた下町




 一面、黄金の世界。吸い込まれるような光彩。邪悪に満ちている。
 グラナートの五感に 異空間にいるような 周りからの無数の黄金の瞳に見つめられているような 
ぞっとする感覚。わんわんと耳朶に響く ホークアイのおどろおどろしい声。


どうにか 気持ちを奮い立たせて 太刀を構えて突進。
しかし、次の瞬間、グラナートの胸に ホークアイの太刀が突き立っていて、
アンバニアは 自分の瞳で それを見下ろし、絶叫したのを覚えている。

青い髪のオッドアイの女


よって―――、グラナートは ホークアイに敗れ去ったのだった。

 そして あれから 何万年、経ったのか 突然、戻ってきた。
 ホークアイと琥珀の秘密を携えて―――。

まあさん アイコン はるま


にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村

. 三浦春馬 短編 オッドアイ 8

   第  五  章

 寒風に空き缶が 派手な音を立てて転がっていく。
 まだまだ 脅えている翠蘭に寄りかかられたまま、ある夕暮れ、裏町の錆びた階段で、
群青(ジョー)は 夜行性の鳥のように座っていた。

真夜中 しゃがんで 頬つえ


「あいつと戦うたって どうすればいいんだろうか。私製軍隊まで持っているんだから、 
こっちも手練れを集めて戦うしかないのか!?
 いや、どう考えても そんな戦い方は無意味だ。相手にとっちゃ、チリを吹き飛ばすより簡単だ」



「しかし、いっぱしの銃器は扱えるんだろう、若者。いや、古風に剣の方がいいか」
階下に現れたのは グラナートだ。
艶々とした ブラウンの巻き毛、逞しく、頭の周りそうな男である。

銃かまえる 要さん


「グラナート。俺、一度、ホークアイと冷静に話してみたいんだが、無茶な話だろうか」
「そりゃまた、どうして?」
「どうして あんな独裁をしているのか、古代から残虐非道な男だったのか。
人間だとしたら、生まれて最初からあくどい者はいないと思う。何か理由が あるんじゃないかと思って」
グラナートが 階段を駆け上がってきて 群青(ジョー)の隣に座った。


ルーク インターモールズ



「群青(ジョー)、君は 変わったヤツだな。ホークアイの為すことの理由を知りたい??
そりゃ 私利私欲のために決まってるだろうが」
「そうだろうか。何か他に理由が あるとしたら?」
「俺には 考えられんが。古代オッドアイの人々が 大量に殺戮されたのを この眼で見てきたのでな」
「古代のオッドアイ国は 琥珀の産出地だったな」
「ああ、世界中から羨望されるほどの産出国だった」


琥珀の間



「もしかして それは、金になるから、だけじゃなくて―――」
「うん?」
「いや、なんでもない。とにかく ホークアイと話してみたい」
 群青(ジョー)の頭に 何かが 閃いているようである。
グラナートは 何も言わず 骨董品のような、重々しい長剣を青年に手渡した。

  にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村



. 三浦春馬 短編 オッドアイ 9

 深夜。

12年頃 雑誌より 乱れた髪の 春馬くん

 先日、翠蘭を奪い返しに行った、ホークアイの屋敷の門前に 群青(ジョー)は単身、バイクで乗り付けた。
 殺意を 帯びた監視カメラが 不気味に作動する気配がする。

輝く洋館
夜のバイク



「ホークアイに 逢いたい!!門を開けてくれ」
 闇の中、しばらく 待ったが 誰も出てこない。
 門の中は 深い森が 続いていて、その果てに わりと古風な洋館が見える。
(いきなり撃たれないだけ、マシか……)
 群青(ジョー)が 引き返そうとした時、背後に 真っ赤に燃え盛った巨大な 火球が
どこから降ってきたのか、地面にのめりこんだ。
「ひとりで 乗り込んできたか」

都市に 隕石落下


ルーク かっこいいジャケット



火球の前に 仁王立ちになっているのは 大コウモリのような、あの男である。
「待て。闘いに来たんじゃない、あんたと話がしたいんだ」
「もの好きなヤツだな。何を話すのだ」
 まさに猛禽類の黄金の瞳が 嘲笑する。


「古代のことは知らない。しかし、オッドアイ族を侵略しようとしたのには、ワケがあるはずだ」
「ただ 目的が 版図を広げることだった。お前のような塵芥(ちりあくた)には 分からんだろうが」
「オッドアイは 膨大な琥珀の産出国だった。それと何か関係があるんじゃないだろうか」
大コウモリの背後の火球の勢いが やや 昏く弱まった。


少し 沈黙してから 
「そうとも。己が欲していたのは オッドアイ国の琥珀。琥珀は世界中から 
喉から手が出るほどの羨望の的。これを 売れば ホークアイの利益は 間違いなし」
「それだけなのか??」
「む?」
「それだけではないだろう。琥珀は鉱物ではない。植物の化石だ。病んだ人体への効能もある。
ホークアイ、貴様自身が 琥珀を必要としているのじゃないか?」

TCK 怖い顔のはるま



 群青(ブルー)のサファイヤのような瞳が ギラリと光った。
 深い深い 湖の青。こんな色の琥珀もあるらしい。

  にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村




. 三浦春馬 短編 オッドアイ 10

「黙れ!!」
 弾丸が 連射され、群青(ジョー)の身体は横っとびに 飛びのいていた。

真夜中 憂いのある顔



「この虫ケラ、己が身に弱みがあるようなことを 口走ったな。ここから 生きて帰れると思うな」
火球は紅蓮の炎に包まれて 轟々と燃え盛っている。
群青(ジョー)は 芝生の上を屋敷めがけて バイクで 走り出した。

射撃 3人
車の前の炎


火球の周りに どよめいていた ホークアイの部下が 一斉に射撃する。
群青(ジョー)の耳元を 銃弾がすり抜けていく。
 それに混じって グラナートの声が 耳の奥から 聞こえた。
(ジョー、東の館には近づくな!!何か 負のものを感じる)
(負のエネルギー?このホークアイの屋敷自体が 負を感じるじゃねえか)
 構わずスピードを出した。そして わざと 東の館向けて走り出した。
森のはずれに館というほどでもない、蔦にからまれた 小さなコテージのような木造の建物があり、
ぼんやり オレンジ色の灯りが 灯っている。


真っ赤なもみじの洋館 油絵かな




 少し距離を置いて、バイクを乗り捨てた群青(ジョー)は コテージに近寄り、
 様子を伺ってから ドアを蹴り破った。
思い切って入るや、警戒して銃を左右に構えるが、人影は 見当たらない。

真正面けり


更に 奥の部屋の扉を開けると 揺り椅子に座った、
十二、三歳の女の子が 召使らしき女に抱きしめられていた。

黒髪 女の子 ドール



「お嬢様に触れたら 許さないわよ」
 召使いの女が ナイフを構えて 血走っている。
「何もしない。俺は 群青(ジョー)という。その女の子は誰だ」




「片方、青い瞳……。あんたこそ誰よっ」
「ホークアイに狙われている者だ。その娘、もしかして ホークアイの娘なのか?」
 女の子は 突然のことに 脅えている。
 黒髪を肩に垂らして まだ あどけないが、ホークアイと同じ 黄金の瞳だ。とても息遣いが弱弱しい。
「具合が 悪いのか?」
心に閃いたのは この少女がホークアイの弱点だということだ。


ルーク ドラキュラ





背後から 部下を引き連れて ドカドカとホークアイがやってきた。
「貴様、オッドアイの……。その子に指一本、触れるな」
「掌中の珠のようだな」
「ここでは 貴様を殺せん。外へ出ろ」
「そう 聞いたからには やなこった!!」
 召使いの女を突き飛ばして 黒髪の娘を抱きかかえた。



「その子を離せ。離さんと……」
「ホークアイ、俺と勝負するなら離してやろう。一対一で」
「小賢しい奴」
ペッと 唾を吐き捨てながら ホークアイの瞳に猛禽めいた色が増した。


鷹 口あき


にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ
にほんブログ村


. プロフィール

海道 遠(かなた)

Author:海道 遠(かなた)
小さい頃からお絵描き大好き
お話創るの、大好き
      ↓ 自然に
漫画家になりたい
      ↓
OLを退職。デザイン学校の漫画科へ入学
      ↓
家庭の事情で後、半年というところで退学、OLに戻る
      ↓
技量不足とひどい肩こり症のため、もの書きに転向
      ↓
結婚、妊娠、育児のブランクを経て再度ペンを持つ。
      ↓
が、コンクールに落ちる事、数知れず。
      ↓
諦めてアマの道へ

★著作★
 ペンネーム:海道 遠(かいどう かなた)
 「“海王の接吻”を抱きしめて」新生出版
 「CROSS」新風舎 
 共に全国出版、ネット販売しております。

★海棠結実(かいどう ゆみ) ペンネームで 

 【 遠雷去らず 】風詠社(鎌倉時代もの)
 全国ネット販売しております。
 

. お気に召したら1クリックお願いします♪
ブログランキング・にほんブログ村へ
. ☆初めてお越しの皆様☆


作品書庫(カテゴリー)からお入りいただくと、連載作品が第一回からお読みいただけます

. 作品書庫(カテゴリー)
. 相互リンク絵ブログ
島崎精舎さま
. 長崎祐子さま
. メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

. ☆当サイトバナー☆
Untitled2.jpg
. FC2カウンター
現在の閲覧者数: