<イメージ>
 育(ソダツ)―― 三浦春馬
 マナ ―――― 土屋太鳳ちゃん


       < 第 十 章 >

 そうだ!
 退屈な会議中に思いついて、つい叫んでしまったので、活動チームの皆が振り向いた。
「あ、すみません、なんでもないんです」
と、言いながら、我ながらナイスアイデア!と心の中で笑っていた。

 育が大好きだった、カメレオンを見れば、記憶が戻るかも?
 しかし、超、難関なのが カメレオンをどうやって持って行くか、だ。

 クンバさんに相談してみると、この島にも、南米のと似た
緑色のおぞましいのがいるらしい。
「おし、俺がどこかのジャングルで探してきてやろう」

ミニカメ


 そして、数日後、クンバさんが分厚い唇をニヤケさせてやってきた。
 手には、ヤシの葉で囲んだ宝石のような??カメレオン。
顔がひきつり、トリハダがたつのをどうしようもできないが、
浜で魚をより分けている育くんのところへ向かった。

「育くん、これ、分かる?」
 カメレオンをクンバさんの手からぶら下げて見せられた彼の表情は、うつろなまま。
「君が大好きだった、カメレオンよ。ほら、高校の時に大切にしてたでしょう」

 すると……すると……
 乾燥ワカメののれんの間から覗いていた 彼の瞳に小さな光がともった。
「お前……、ねぼけマナコのマナ!大丈夫なのか、気を失っちまって!」
「え……」
魚のにおいの沁みついた仕事着のポロシャツのままの育に、
ぎゅうううう~~~~~と、抱きしめられた。

春恋 ブログより 求愛




「やっぱり、育くん……その瞳があなた!

すぐに分かったわよ、キラキラした瞳が変わっていない!」
「良かったあ、俺、カメレオンのカメ吉にびっくりさせちまって、
どうしようかと、パニクッちまって、急いで帰っちまったから。
で―――保健室で目を覚ましたのか?」
「え?」
と、思っている間に、ぐちゃぐちゃに抱きしめられた。
「マナの眼が俺、好きなんだ。ねぼけマナコのよ。
ゴメンよ、ゴメンよ、カメ吉にあんなにビックリするなんて思わなかったんだ……」

 ま、待て。。。
 記憶が戻ったらしいけど、保健室って高校の記憶だろう。戻りすぎじゃあ。。。
たお シリ


 そんなことにはお構いなし、磯くさい胸から逃げられない。
 クンバさんの捕まえてきたカメレオンが、のっそりと私の腕に昇ってきたけど、
今度は必死で悲鳴をかみ殺した。
大好きな瞳の育くんが帰ってきたのだから―――。

と、ほっとしたとたんに、

「ん?なんかお前、老けてないか?
保健室のオバチャン先生かと……」


★★★(@_@;)★★★!!!!!

全然 女子心 わかってねえな



     「瞳があなた!」   完。ってほど長くない(笑)
★最後まで お読み下さいました方へ
 心より感謝申し上げます。

ブログランキング・にほんブログへ



にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ




2017.06.29
<イメージ>
 育(ソダツ)―― 三浦春馬
 マナ ―――― 土屋太鳳ちゃん


     < 第 九 章 >

「育、育くんよね?ほら、私よ、マナ!同じ高校にいたでしょう、日本の」
 漁師の青年に駆け寄って叫んだが、不思議そうに見返すだけだ。
 ボウボウに伸びた髪が茶褐色に焼けている。


ジャングルで


「マナ、どうした。こいつは言葉がわからない」
クンバさんが言う。
「わからないの?この人は日本人よ、私と同じ」
 クンバさんは しょんぼりして首を振った。
「言葉だけでねえ、浜辺で気を失って倒れていて、何も覚えてねえだ」

「なんですって!」
 漁師の青年の瞳は 焦点があっていない。ぼんやりしている。
「あなたは、育くんよ。ご両親も心配して待っている。
どうして分からないの?私だってば、マナ。ねぼけマナコのマナ!」

はるま ひとみ アップ


 私のことが分からない!?
 記憶喪失……。
 なんてことだろう。だから、待っても待っても、帰ってこなかったんだわ。

 呆然としているうちに、クンバさんは、育を連れて浜へ帰っていってしまった。


ブログランキング・にほんブログへ



にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ




2017.06.29
       <イメージ>
 育(ソダツ)―― 三浦春馬
 マナ ―――― 土屋太鳳ちゃん

        < 第 八 章 >

バリ 市場 くだもの



 島の市は 賑やかだ。
 褐色の肌の老若男女が カラフルな民族衣装で押し合いへしあいしている。
 市にならぶ 香辛料やフルーツの前で大声を張り上げている。

 ここに来て、二年になるから そんな風景を見慣れているが、
今日も良い天気だ。スコールは来るかな。

 市に魚を並べにくる、漁師のクンバさんが ニコニコ笑いながらやってきた。
「マナ、久しぶりだな。こんなに焼けちまって。もう俺たちと見分けがつかないな」
「また、クンバさんたら、これでも私、乙女……」


アフリカの精悍なおじさん

イラスト ぼろぼろ青年


進撃より 顔にかげの はるま



 ……と、言いかけて、動けなくなった。
クンバさんの連れている漁師の青年――― ボロボロになったTシャツ、
魚と取り換えたのか、腕にはカゴいっぱいの南のフルーツ。
肩まで伸びたカサカサの髪の毛。
 彼から目がそらせない。



 島の漁師のなりをしていても、その瞳は思春期のままの育(ソダツ)ではないか。
 そう――――。
見間違えない。あのソダツの瞳だ。少年時代の頑張り屋さんの瞳に間違いない。
だらりとした視線でも……。
 潮騒も市場の喧騒も黙り込んだ。。
 黄金の南の島に、ポツンと立っているのは、頑張り屋さんの瞳の青年だけだ。

ブログランキング・にほんブログへ



にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ





2017.06.28
 | HOME |  NEXT PAGE »